撮影記

レッドブルエアレース その2.帰ってきた零戦(RedBull AirRace Chiba 2017)

2017年7月18日

レッドブルエアレースを盛り上げたイベント、スペシャルサイドアクトの写真をお送りします。

2017年の千葉大会では、これまでの大会で登場した消防ヘリコプターやパラグライダーのデモンストレーションに加え、特別な機体の展示飛行デモが行われました。この記事では零戦のデモフライトについてエッセイっぽく。

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零戦は日本のみならず海外でも名の知られた太平洋戦争時の戦闘機。航空機や戦闘機に詳しくない人でも日本の戦闘機といえば必ず名前の出てくる機体です。現存して飛行可能な4機のうち日本人が所有している1機が今回幕張にやってきたそうです。

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日本で零戦といえば、太平洋戦争末期の特攻隊の印象が強く、負のイメージが付きまとうこともあって日本での飛行にはかなりの紆余曲折があったようです。

戦中ソロモン海戦で撃墜され、1970年代にパプワニューギニアで発見された機体は1980年代はサンタモニカ博物館に収蔵された後にロシアで当時の設計図をもとに飛行可能な状態までレストアされ、その後アンカレッジで保管されていたとのこと。実は1999年には映画『パールハーバー』での撮影で飛行しており、アメリカでのイベントではすでに何度か登場していたそうです。

日本での里帰りフライトは2016年の鹿児島となっており、その後、今回のパイロットである柳田一昭氏がアメリカで零戦の免許を取得して名実ともに里帰りフライトとなったとのこと。

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ここまでに1番のネックとなったのはやはり資金調達のようで、企業スポンサーからの援助やファンクラブ、クラウドファンディングによる個人スポンサーからの支援を受け実現したそうですが、日本国内における根強い反対の声もここまでかかった理由として少なからず影響していたと思います。

実際、この零戦のデモフライトが発表された時には多くのメディアで取り上げられましたし、その影響はエアレースそのものよりも大きな取り上げられ方をされていたことで想像できます。これをきっかけにエアレースを知った人も多いのではないでしょうか。

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SNSなどでも右寄り、左寄り、賛否両論見かけましたが、エアレースという機会を通じて復元された零戦を見た立場から発言するとすれば、当時の日本の科学技術の粋を集めた零戦は、その開発者やパイロット達が戦争の先に見出した平和への希望そのものだったかもしれませんし、もしそうだとすれば、この平和な日本の空を満喫してもらいたいなと思います。

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さて、そんな零戦の写真ですが、当日は天気に恵まれたおかげで見事に逆光(汗)。上述した思いもあり(いい訳?)、なるべく背景の青空を残したい意図から機体は暗めになっています。これ以上露出を上げると背景真っ白なものですから。

当時の最高時速は500km/h以上ともいわれエアレース機も真っ青なスペックですが、もちろんデモフライトでそんなことはせずにレーストラック上空をゆったりと2、3往復して帰って行きました。なので撮影は楽なはずなのですが、なかなか見られないだけに緊張してピンボケなのか手ブレなのか失敗連発。この1時間ほど後になって、レンズにつけていた安物PLフィルターが悪さしていたことに気付くのでした…。

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