WTCCフォトコン受賞者が考えた傾向と対策。審査基準をよく読んでロケハンを入念に。

  公開日/最終更新日 2016/09/02

WTCC Photo-con Tips&Advies

今年もWTCCフォトコンの開催が告知されました。


このフォトコンは2011年の鈴鹿戦から数えて今年で6回目。昨年はもてぎに移っての開催で、私も撮影した中から応募したところ、入賞することができました。

そこで、今回のフォトコンの概要を紹介するとともに、WTCCフォトコンの傾向と対策として、昨年のフォトコン応募のときに意識した点を書いていきます。

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WTCCについてちょっとだけ

モータースポーツファンの方でも海外カテゴリーにはあまり興味のない方は多いと思いますので、WTCCとは何ぞや、をちょっとだけ。

World Touring Car Championship(世界ツーリングカー選手権)とは、FIAが管轄する、ツーリングカー(いわゆるハコ車)のトップカテゴリーのひとつです。

ヨーロッパを中心にて世界を転戦するなかで、フライアウェイ(遠征)の一戦として日本ラウンドが設定されています。

マシンはFIAが定めるS2000規定という規定をベースにしたツーリングカーによるもので、日本からはホンダがシビックで参戦しています。

レースフォーマットは、SuperGTなどよりもずっと短いスプリントレース×2レースで行われます。

レース自体は、ハコのスプリントレースということで、とにかく接触、当たりが激しい!「サーキットの格闘技」とも呼ばれています。

どんな写真を撮れば受賞できるか

では、WTCCフォトコンの傾向分析をしながら、どんな写真を撮ればよいか、考えていきましょう。

各賞の審査基準をよく読んで、どんな写真が求められているのかを理解しよう

今回設定されている賞とその審査基準を確認しましょう。以下、告知ページから抜粋すると、

WTCCフォトコン大賞(1名)
審査基準:すべての応募作品の中から、最もWTCCの魅力、格闘(バトル)、かっこよさを詰め込んだ作品。

格闘技賞(1名)
審査基準:複数台のクルマが絡むバトルシーン、クラッシュシーンなど“サーキットの格闘技”というWTCCの異名にふさわしい写真。

ツインリンクもてぎ賞(1名)
審査基準:WTCC期間中、ツインリンクもてぎでしか見られないシーンを撮影した写真。

このほかにキッズ賞、SNS賞が設定されています。SNS賞は昨年あったコンデジ賞、スマホレタッチ賞に代わる受け皿的な位置づけかと思われます。また昨年私が入選したサンディスクエクストリーム賞ですが、今年はないようで残念。

一眼ユーザーは、上記の格闘技賞かもてぎ賞に応募することになると思います。大賞を狙うとすれば、審査基準が近い格闘技賞にウエイトをおくのが作戦かと思います。

過去の受賞作品を見て、イメージを膨らませよう

インプレスが主催するモータースポーツ系フォトコンの過去の入選作品は審査基準とともにWebで見ることができます。WTCCフォトコンの過去の入選作品もimpress watchから見ることができます。

各年の受賞作品をみると、技術や構図的にすばらしい入選作が多くあるなか、それら写真的によい作品よりも審査基準により忠実な作品が選ばれている場合が多いことが、作品や作品に対する審査員コメントからわかります。

…つまり、写真の上手い下手をあまりきにせず(笑)、審査基準にある「サーキットの格闘技」を、どちらかというと記録写真的、報道写真的に撮る方が選ばれやすいかも?と考えます。そういった写真に撮影者の作風やオリジナリティをのせることができればなおよし。

一方のもてぎ賞も格闘技賞と同様の傾向が予想されます。とはいえ、もてぎでしか見られないシーンって難しいですよね。何年ももてぎで写真撮っていますがよくわかりません(笑)。

このように、過去の受賞作とその審査員コメントを理解し、どんな写真を撮るか撮影意図を明確に、イメージを膨らませて当日に備えましょう。例えば、撮影するシーンや構図を思い浮かべ、自分が審査員だったらどんなコメントをするか、そのコメントは審査基準に沿っているか…、などとイメージトレーニングできればバッチリです。

いつ、どこで撮ればよいか

では、イメージした写真は、もてぎのいつ、どこで撮ることができそうでしょうか?それは、WTCCの走行(フリー走行、予選、オープニングレース、メインレース)のタイミングにマッチしているでしょうか?

スプリントレースはあっという間、ロケハンとスケジューリングが重要

今回のタイムスケジュールを確認しておきましょう。

土曜日は、2回のフリー走行(各30分)の後、予選Q1~Q3が行われ、最後にMAC3(Manufacturers Against the Clock 3、30分)が行われます。
日曜日は、オープニングレース(13周)とメインレース(14周)が行われます。

MAC3とは、マニュファクチャラーポイントを争うWTCC独特のフォーマット。予選後各マニュファクチャラーから3台が選抜され、給油とニュータイヤを装着し、一斉にスタンディングスタート。2周の合計タイムを競う。

スプリントレースなので、どのセッションも最長で30分以内ですから、セッション中はあまりあちこち撮影ポイントを移動することは得策とはいえません。あらかじめイメージした写真がどこで撮れそうか、フリー走行やサポートレース(前座)を活用して絞り込む必要があります。

撮影エリアを絞り込み、時間を決めて撮影ポイントを移動する

具体的な撮影エリアの絞り込みを考えてみましょう。

土曜日のフリー走行は午前中に2回、サポートレースで2時間弱の間を挟んでおこなわれますから、1回目は130RからS字付近、2回目はヘアピンから90度コーナー付近で各マシンの単独走行を中心に撮影します。実際に狙っているセッションの状況をイメージしながら、私たちも練習をするかんじです。

例えば、予選の時間帯(15:00〜16:30)は西日がさし始める頃になりますから、コースの東側/西側で順光/逆光の違いを想像して、予選はコースのどちら側で撮るか選びましょう。

ほかにも、レースでの混戦、バトルが予想されるコーナーの状態をあらかじめ確認しておきましょう。ロードコース東側だと、S字/ヘアピン/90度コーナーへの飛び込みはブレーキング勝負が予想されますし、これらのコーナーでは、WTCC特有の、リアタイヤをロックさせながらのタックイン走行(WTCC車両は市販FF車両がベースのため)も撮影できますから、WTCCらしさを撮影できるのではないでしょうか。

コーナーでの接戦という点では、オープニングラップが一番のシャッターチャンスとなるはず。これらS字/ヘアピン/90度コーナーからレース開始時の撮影ポイントを選ぶのがよいでしょう。

さて実際に撮影を開始すると、あっという間に時間は過ぎてしまいます。何も意識せずに撮影していると、最初の撮影ポイントから一度も動けずにレースが終わる、なんてことも。あらかじめ2〜3箇所に撮影ポイントを決めて、1箇所につき5〜10分程度で見切りをつけて移動することで、写真のバリエーションを増やし応募する際の作品の選択肢を増やすことができるでしょう。

おすすめの撮影ポイント

もてぎの撮影ポイントについては、別記事を用意しています。動画つきで説明していますので、こちらも参考にしてください。


昨年のもてぎWTCCでは、予選をS字のアウト側(東側)で、レース1をヘアピン、レース2をS字アウト側で撮影しました。

予選ですが、夕方にさしかかる時間帯のS字アウト側は逆光で、露出設定が難しくなりがちですが、ドラマチックな雰囲気を演出することができます。

レースでは、ヘアピン、S字アウト側、それぞれバトルを期待していましたが、実際にはS字や90度のブレーキング勝負の方がアツかったようですので、今年はそちらを狙おうかと思っています。

まとめ+α

ざっくりまとめると…

  • WTCCフォトコンをはじめ、インプレス系のモータースポーツフォトコンは、審査基準により忠実な作品が選ばれる傾向にあるため、審査基準を反映した作品となるよう、あらかじめ作品のイメージを作っておくことが大切
  • WTCCはスプリントレースなため、撮りたい作品イメージに合った撮影エリアもあらかじめ絞り込んでおくのがよい

その他(縦構図のススメ)

ここまで具体的な作品の構成については書いていないですが、一点次の記事が気になっています。

審査基準は「それ1枚でポスターにできるような、縦位置ならではの構図が光るドラマチックな写真」。

今年新設された賞になります。実は昨年までは、ベストラップ賞とベストタイヤフォーカス賞の部門賞として縦位置写真が用意されていましたが、縦位置写真の応募が少なく該当無しとなることが多かったため、独立させたというのが実情です。

ミシュランのSUPER GTフォトコンの解説記事で、このような記載があります。ミシュランのフォトコンは受賞作がミシュランの広告やカタログに採用されるということなので、縦構図の写真が求められるのでしょうけれど、WTCCフォトコンの受賞作をみても縦構図は比較的少ないです。

私自身は、いろいろ考えを持って縦構図を好んで使っており、昨年の受賞作はまさに縦構図でした。他の作品の差別化をするためにはちょっとしたコツになるかもと思いますので、チャレンジされてはいかがでしょうか?


 

いかがだったでしょうか?所詮は趣味ですから、好きなときに好きな写真を撮るのがいいのでしょうけれど、何か目標を持って、そのための作戦を考えながらの撮影もゲーム性のある楽しみ方かと思います。
この記事がWTCCの撮影にチャレンジされる方、フォトコンに応募しようとされる方の参考になれば幸いです。皆さんの健闘をお祈りいたします!

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